一般に40歳を過ぎると、聴力は低下しはじめます。
自分では気がつかなくても、30歳代から高い音を聞く能力は少しずつ衰え、その傾向は50歳半ばから加速度的に顕著になります。
難聴といっても様々な種類があり、年齢による変化ばかりではありませんので医師による診断が大切です。
健康な人がある日、突然聴力を失う突発性難聴のような原因不明の難病もあります。手術で良くなる難聴もあります。
最近、耳が遠くなったな…、耳鳴りがする…など少しでも心に引っかかることがあったならば医師の診察を受けて下さい。早めの受診が大切です。突発性難聴は、発症1週間以内の早期診断早期治療が原則です。
当院では、補聴器の新規購入・お手持ちのものの調整をご希望の方を対象に補聴器外来(毎週水曜日午前・木曜日午前・金曜日午前 予約制)を設けています。(詳しくは「補聴器相談の流れ」をご覧ください)。
当院の補聴器医療は、厚生労働省主催の補聴器適合判定医師研修会を修了(第635号、第2181号)した院長(日本耳鼻咽喉科学会が推進している補聴器相談医制度において新潟県補聴器キーパーソンの役職を委嘱されています。毎年1回行われる全国会議に参加しております。)のもと、充実した施設を活用して行います。
また、当院は厚生労働大臣の定める『補聴器適合判定検査の施設基準』に適合した県内でも数少ない保険医療機関です。広い聴力検査室でしかできない音場検査(聴力検査室RION AT80S)が行える環境で、騒音・環境音・雑音などの検査用音源または発生装置(補聴器効果特性検査装置 RION HF03、パナソニックSL-S130、TOA model F-160G)、補聴器周波数特性測定装置(RION LH31)を用いて行います。
当院では、患者さんのお気持ちを第一に、責任を持って継続的な診察・補聴器のフィッティングを行っています。皆様の聞こえのご不便を改善するお手伝いが私たちの使命で、当院は補聴器販売による利益を得ることはありません。また補聴器貸し出しには、金銭的な負担は全くありません。
- Q.難聴とは?
- 難聴(なんちょう)とは、聞こえが低下している状態をいいます。自分は悪くないと思っても検査でわかる場合もありますし、音が聞こえてもことばが聞き取れない場合もあります。年齢のせいばかりではありません。
- Q.老人性難聴とは?
- 老人性難聴は、年齢を重ねることによって生じる自然な耳の変化です。
30歳代から少しずつ内耳の変化が現れ、50歳代から加速度的に進み、聞こえの悪さを自覚します。近年の高齢化とともに患者さんの数はますます増えています。
- Q.騒音性難聴とは?
- 騒音性難聴とは、工事現場や鉄工所、工場など大きい騒音のする職場で長期間働いてきた人に多くみられます。『職業性難聴』とも呼ばれています。
難聴は両耳に現れ、耳鳴りを伴うことが多いです。治療による難聴の回復は困難です。
音響による難聴には急に大きな音を聞いて耳の聞こえが悪くなる場合もあります。コンサートや陸上競技のスターターが原因になることがあります。こちらは早期発見早期治療が重要です。
- Q.突発性難聴とは?
- 突発性難聴の症状は、ある日突然起こります。朝起きると、急に耳が聞こえなくなっていたり、キーンとする高い音が聞こえたりします。難聴だけではなく、耳鳴りやめまい、吐き気などを伴うことがあります。おかしいな…と思ったらすぐに診察を受けに来て下さい。
- Q.補聴器が必要になる場合は?
- 老人性難聴や騒音性難聴のように少しずつ進んだ難聴では、内耳の細胞が傷んでいるので、聞こえそのものを回復させることは難しくなります。そのため補聴器が必要になる場合が多いです。補聴器をつけても、難聴が進むことはありません。
- Q.補聴器ってどこで売っていますか? 価格はどのくらい?
- 補聴器は通販やインターネット、認定補聴器専門店など様々なところで買うことができます。
自分の症状、環境にあった補聴器を自分の耳に合うまで根気強く調整してくれる良心的なお店で補聴器を選ぶことが大切です。
聴力検査は、医療行為です。補聴器購入に際しては、医師の診断を受けて、しっかりとご自分の聞こえを評価してください。
インターネットによる通信販売では、補聴器に求められる性能を満たさない集音器が販売されている場合もあります。
出力が足りないものや、出力が過大で内耳を壊す心配のあるものまで報告されています(通信販売の補聴器等の安全性や補聴効果―販売サービスに関する調査も含めて―国民生活センター)。
値段も様々です。補聴器の価格は、数万円から、高価なものは数十万するものもあります。しかし高価だからと言ってどなたの耳にも合う訳ではありません。
- Q.補聴器の選び方は?
- 補聴器にも様々なタイプがあります。補聴器を選ぶ際は、安易にご自分でお決めになるのではなく、医師や認定補聴器技能者などに相談してお選びください。
- Q.耳鼻科を受診するメリットは?
- 1.補聴器が必要かどうか分かります。治療で治る難聴の場合もあります。
2.補聴器が自分の聞こえを改善しているのかどうかきちんと検査を受けることができます。
3.信頼できる販売店の紹介を受けることが出来ます。
4.医師等による診療等を受けるために直接必要な費用として補聴器購入の費用が医療費控除の対象として認められています。
5.難聴の程度によって公的な社会支援を受けることができます。補聴器を購入する際に補助金を受けられる場合があります(医師の診断が必要です)。